棺桶に入れて欲しいアルバム10枚。

この記事は、今年7月から始まった会社の社員ブログに寄稿した内容です。

よく、“無人島に持って行きたいCD10枚”という企画があったりしますが、今回のテーマはそんな甘っちょろいものではございません。あの世まで持って行きたい程、好きです 愛してます I can’t live without you な作品10枚を選んでみました。
こういうのって、有名人ならまだしも、一般peopleの場合は見てて全然楽しくもなんともないので、興味の無い方はさっさとスルー推奨です。

では、今回も空気を読まずに勝手に行ってみましょう!

Blow by Blow
Jeff Beck

  • Jeff Beck
  • 1975年作。私の唯一の師匠、ジェフ・ベック。このアルバムは、ラストの♪Diamond Dustを聴くためにある。ジェフのリリカルなソロが続いた終盤以降、マックス・ミドルトンの美しいエレピ・ソロに続いて(ビートルズのプロデューサーで有名な)ジョージ・マーティンの壮大なオーケストラのテーマ演奏のみで、ジェフのギターは一切聴こえてこない。何という余韻を残す粋な演出。
    誤解を恐れず断言させていただくと、ロック,ジャズ,クラシック…あらゆる音楽の中で、この曲の右に出る美しい曲は存在しない。異論は一切認めない。
    なお、この♪Diamond Dustは私の葬式の時に流して欲しいと嫁にお願いしてある。多分もう忘れ去られているとは思うが。

Wings Over America
Wings

  • Wings
  • 1976年作。この頃のポール・マッカトニーは、まるでビートルズ時代に戻ったかのようにグループの一員を謳歌している。オープニングの♪Venus and Mars~♪Rock Show~♪Jetの怒涛の3連発から、ビートルズの名曲やアコースティック・セット(♪Bluebirdが白眉!)、各メンバーをフューチャーした楽曲も交え起伏に富んだショー構成で中弛みを感じさせないのはさすが。ラストの♪Soilyは(当時としては画期的だった)レーザービームによる演出と、ポールのシャウトが鳥肌もので壮絶なエンディングを迎える。

Captain Beyond
Captain Beyond

  • Captain Beyond
  • Deep Purpleといえばイアン・ギラン、デイヴィッド・カヴァデールという稀代の名Voが超有名。しかし初代Voのロッド・エヴァンスを忘れてもらっては困る!
    イギリスを飛び出し単身アメリカへ渡り、Iron Butterflyのラリー・リノ・ラインハルト(G),リー・ドーマン(B),Johnny Winter Andの凄腕Dr ボビー・コールドウェルという錚々たるメンツと結成したCaptain Beyondの1972年デビュー作。巷ではスーパー・グループ誕生と大騒ぎに。
    (アナログ・レコードでいう)A面はハードな側面にスポットを当て、オープニングの♪Dancing Muddy Backwardsのボビーの重い変拍子ドラムからしてカッコいいの一言。B面は組曲形式で繋がっており、静と動の対比が巧妙に構成されたプログレっぽい音作り。ロッドのジェントルかつセクシーな歌声が最高。ただ、アメリカを主戦場とするには難解過ぎる・先進的過ぎる作風が災いしてあまり売れなかったという、悲劇のグループ。

Don’t Look Back
Boston

  • BOSTON
  • 1978年の2nd。マサチューセッツ工科大卒後、ポラロイド社でマルチメディア・プロダクトの研究に携わるエンジニアとして勤務する傍ら、独学でギター・作曲を習得、自宅地下室を改造してスタジオを築き上げた(当時はまだアナログ録音の時代で、高価な録音機材購入の代わりに殆どを自作したとか)、トム・ショルツのソロ・プロジェクトという形でスタート。友人の故ブラッド・デルプにVo.を依頼する以外は全ての楽器演奏・録音・ミックス等をこなしたデモ・テープに大手CBSが腰を抜かしたという伝説の持ち主。
    抜けのよいクリアなハイ・トーン・ヴォイスにメロディアスで希望感溢れるメロディ、ハードでありながら耳に心地よい重奏的なギター・サウンド。アメリカン・ハードの良心が詰まっている名作。日本のパワーポップ系も明らかに彼らをお手本としたのは丸わかり。堂々の全米第1位。

Two For The Show
Kansas

  • KANSAS
  • 1978年作。グループ名と垢抜けないメンバーのルックスから想像出来る音。カントリー、或いはサザン・ロック?正解は、Violinをフィーチャーした叙情的、メロディアス&ドラマチックなアメリカン・ハード・プログレ。
    日本でもTVCMで彼らのヒット曲♪Dust in the Wind(すべては風の中に)が使われたことがある。名盤「Leftoverture」「Point of Know Return」を発表し、まさに脂の乗った最盛期の白熱した演奏に痺れないわけがない。アメリカの広大な景色を想起させるオープニングの♪Song for Americaに始まり、ラストの♪Magnum Opusに至るまで、目が(耳が)離せない。何回聴いても鳥肌が立つのが、ラストの♪Magnum Opusのエンディング。観客に向けた感謝のメッセージを叫んだ後の怒涛のエンディングのキメ…筆舌に尽くしがたい感動。音楽を聴いて失禁しそうになったのは後にも先にもこれが初めて。

The Snow Goose
Camel

  • CAMEL
  • 英国の至宝、キャメル。1975年の永遠の名盤。ポール・ギャリコの同名の短編小説「スノーグース」を基にしたコンセプト・アルバム。一介のロック・バンドが3作目にしてオーケストラ入り・歌なし・インストのコンセプト・アルバム?と、当時はレコード会社から難色を示されたらしい。今となっては、このアルバムを世の中に出してくれて本当にありがとうございます!と感謝するしかない。
    アンドリュー・ラティマーの泣きのギター,彼の吹く優しく透き通るようなフルートを中心に、まるで架空の映画を鑑賞しているかのような錯覚・陶酔感を覚える。
    因みに、ジョン・スタインベックの小説「怒りの葡萄」を基にしたコンセプト・アルバム「Dust And Dreams」(1992年作)という、これまた実に感動的な名盤も決して忘れてはならない。

Waltz for Debby
BillEvans

  • Bill Evans
  • 今の戸建に引っ越して自分の部屋(現在は高2の娘の部屋・泣)を持った際、オーディオにどっぷりハマり、SANSUIのAU-α907やB&Wのスピーカーなどを買い揃え、一端のオーディオ・マニアを気取った頃もあった。同時期にドはまりしたのがジャズ。手当たり次第、貪るように聴きまくった結果、キース・ジャレットのスタンダード・トリオ、エンリコ・ピエラヌンツィのトリオなど、最終的に自分には“この系統の”ピアノ・トリオが一番しっくりくることが分かった。
    所謂ジャズの入門編として有名な、この説明不要のビル・エヴァンス・トリオの名盤(1961年6月25日 NY ヴィレッジヴァンガードでのライヴ)は、録音から11日後に若くして交通事故で他界してしまうスコット・ラファロの太く温かみのあるジャズ・ベースにも是非注目して欲しい。表題曲は当時まだ2歳と幼かったビルの姪デビイに捧げられた、優しく愛らしい曲調のジャズ・スタンダードとしてあまりに有名だが、自分が最も心震えるのがオープニングの♪My Foolish Heartである。この静謐感。そして静かな情念。客のお喋りや食器の音などの雑音も、逆に生々しさを引き立てる脇役となっている。

lust
Camel

  • rei harakami
  • 2005年の4作目。2011年7月27日、脳出血の為、40歳という若さで突然この世を去ったレイ・ハラカミ(本名:原神 玲)の名作。エレクトロニカの素晴らしさを教えてくれた大切なアルバムである。
    “若干高音の抜けが悪い、透明感,浮遊感,不規則性を持つサウンドと、叙情的なメロディが特徴である。作品制作には、ほとんどのパートで1996年に発売された旧式のMIDI音源である、ローランドのSC-88Proしか用いておらず、そのSC-88Proのサンプリング音を逆再生する手法で独特の音を奏でている。SC-88Proに搭載されている、32kHzサンプリングのPCM音源が音のこもりを生んでいるようである。”(by Wiki)
    ともすれば無機質と言われかねないこの手のジャンルに於いて、ぬくもりを感じさせる包み込むようなそのサウンドは、多くの名リミックスを生み出す。くるりの♪ばらの花 ~ remixed by Rei Harakamiは、その最高峰と断言できる。

Images and Words
DT

  • Dream Theater
  • 今やプログレッシヴ・メタルというジャンルを揺るぎないものとし、その頂点に君臨するドリーム・シアターの1992年発表の2nd。歴史的名作。神がかり的なテクニックを持つ楽器演奏者がG、B、Dr、KeyB…つまりVoを除く全員。複雑かつ高速なパッセージを一糸乱れず、ありとあらゆる場面で自在に操れるだけでも充分に凄いが、彼らの強みはジェームズ・ラブリエという稀有なVoを獲得した点にある。ドリーム・シアター登場後、雨後の筍のようにクローンが世界中に登場したが、楽曲の良さ,Voの上手さ,そしてコンセプト・アルバム等に見られる総合プロデュース力で、他者を寄せ付けず。名曲として誉れ高い♪Metropolis, Pt. I: The Miracle and the Sleeperは発売当時、こんな難曲をライヴで再現出来るのか?と噂された(勿論、ライヴのハイライトで見事に実演してみせた)程の凄まじさ。演奏陣に引けを取らないジェームズのVoも、緩急自在で素晴らしい。

以上、9枚。ぇ?もう1枚は?
うーん…これがなかなか決められないのです。本当に棺桶に入る直前まで、考えさせていただいてもいいでしょうか…?

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