中屋万年筆 ネオスタンダード 緑溜 中軟 Part.1

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中屋万年筆 ネオスタンダード 緑溜 中軟 #1

念願の「中軟」です。

中屋万年筆 ネオスタンダード 緑溜 中軟 Part.0
中屋万年筆 ネオスタンダード 緑溜 中軟 Part.0
銀座のK.ITOYAにて開催中の「中屋万年筆フェア」。6/24~26の3日間、実演販売があるという情報は事前に知っていたのですが、特に立...

中軟に魅せられて

緑溜 中軟 ペン先 #3

最近、取り憑かれたように、或いはバカの一つ覚えのように『中軟欲しい/チュウナンホシイ』と連呼するはめになったのは、5月に伊東屋池袋店で受けたシャルトルブルーの調整に端を発している。ペン先の調整を待つ間、中屋万年筆の実演販売ではお馴染みの試筆用ペンで、中軟の書き味に恋してしまったのである。中屋万年筆の吉田さんや、後日伺った小日向京さんのお話しも非常に興味を唆るものであり、かつ希少価値が高いという点も大いに物欲を刺激されてしまったわけである。

ただし、プラチナ万年筆の通常ラインナップには、この中軟というペン先は含まれていない。富士五湖シリーズでの山中など、所謂限定品で稀に出される程度らしい。そうなれば富士五湖最後の河口に俄然期待したわけだが、残念ながら中軟は出ない結果に。また次の限定品で出ることを辛抱強く待つか、或いは中屋万年筆で中軟のペン先で万年筆を買う(オーダーする)か。中古品を探して買う以外の選択肢としては、どちらかしか無い状態である。

中屋万年筆 ネオスタンダード 緑溜

中屋万年筆 ネオスタンダード 緑溜 中軟 #2

Part.0にも書いたとおり、6/24の午後、K.ITOYAにわざわざ足を運んでしまったのは、単なる偶然ではないだろう。もし仮に、中屋万年筆でオーダーしてしまった場合に生じるリスク(平たく言えば、お金、である・笑)のことを考えると、とても平静を装ってなどいられないはずなのだが、まぁ命を取られるわけでは無いのだから、何とかなるだろうといういつもの『妙な処だけ大胆不敵な性格』が顔を出してしまったのか。2階に階段を上がる際、もし待ってる客が多いようだと、やはり縁が無かったということで潔く諦めて帰ろうと考えていたのだが、次の次ですねーという係の方の言葉に、残念ながらフラグが立ってしまった(笑)。

因みに、順番が近づいてきたら携帯に電話してくれるというサービス、これは是非、他のペンクリでも取り入れて頂きたいシステムである。もっとも、蒔絵万年筆の展示などある種ミュージアム的なK.ITOYA2階で、万ヲタや私のようなオッサンが多数たむろされたら困る…という店の配慮ではあるのだろうが(笑)。

中屋万年筆 ネオスタンダード 緑溜 中軟 #3

↑複数画像アリ。

さて順番が回ってきた時には、もう後先考えず万年筆をオーダーするべし!と腹をくくってしまっていた(笑)。軸はネオスタンダードが持ちやすそうだと決めていたのだが、色は第一希望の碧溜はやはり無く、代わりにこれなら1本だけあります…と対応してくださった吉田さんから受け取った緑溜を見て、一気に気持ちが引き寄せられてしまった。

軸は一見黒のように見えるが、光の加減で限りなく黒に近い焦げ茶のようにも見えたりする。そして最大の特徴が、緑溜と呼ばれるだけに、キャップとの接合部や、天蓋など部分部分で見られる『滲み出たような若草色が目を惹く』美しい緑の塗装である。

緑溜 中軟 ペン先 #1

↑複数画像アリ。

軸は決まった。ペン先は…勿論、中軟一択である(笑)。吉田さんは前回の池袋での調整の件を覚えて頂いていたようで、確かフロー多めが好みでしたよね?、と。このペンで使おうと思っているインクは、ペリカンBBSalixであることをお伝えしてペン先の調整をお願いする。程なくして手渡されたペンは、潤沢なフローと滑らかな書き味で感激してしまった。これでOKです!とお伝えして、最後のお会計で悲劇が(笑)。Webカタログ上でのネオスタンダードの価格は59,400円。これが脳に刷り込まれていたのだが、この緑溜は70,200円だったというオチが(笑)。約1万円も高くなっている…イベントでしか出していないという希少性故なのか、製法上コストが更に掛かるのか…いずれにせよ、頭をクラクラさせながら支払いを済ませ、K.ITOYAを後にした。

試し書き

中屋万年筆 ネオスタンダード 緑溜 中軟 書き物 #1

↑複数画像アリ。

榛原の蛇腹便箋に試し書き。インクはペリカンBB。空きカートリッジに注射器で充填して使用。改めて思ったのが、ちょっとフロー良すぎるなぁと(笑)。そこで翌日の25日に再度調整をお願いして、少しだけフローを絞って頂いた。

中屋万年筆 ネオスタンダード 緑溜 中軟 書き物 #2

↑複数画像アリ。

同じ榛原蛇腹便箋でも瓢箪柄の方に。インクフローが潤沢なので、蛇腹便箋のような滲まず字幅が太らない紙は重宝する。一般的にフローが渋めになると云われるペリカンBBで、これくらいフロー良く濃く出てくれれば言うことはない(笑)。

中軟のペン先は、同じ中字のニース ロゼと比べて見た時、はっきりと肉眼でも分かるレベルでペン先の厚みが違う。圧倒的に中軟の方が薄いのである。この金属の圧延加工が最もコストが掛かってしまう工程のようだ。その薄さ故、現在所有しているプラチナの万年筆の中で、やはりもっともタッチは柔らかい。フワフワしたような柔らかさではなく、しなる・たわむと表現すべきか。

中屋万年筆 ネオスタンダード 緑溜 中軟 書き物 #3

シャルトルブルーの細軟とも肉眼で(ペン先の厚みを)比べてみたが、ほぼ同じ程度に思える。ただし、中軟の方は付いているイリジウムの大きさが細軟よりも当然大きいので、ペン先直前での厚みが全く異なる。手間の掛かる作りになっているのだなぁと感心することしきり、である。

ニース ロゼの中字は硬いながらも滑りの良いペン先で一定の線が引け、紙の上でインクをスルスルと流す感覚。片や中軟の方は、線の強弱によってインクを留めたり流したりするような感じになるかと。

人は文字を書く時に一定の筆圧だけで書くことはなく、例えば斜めの線をはらう時や、まっすぐな線で止める時などに、他とは違う力を加えています。力を加えたり、力を抜いたりを繰り返しているわけで、その文字から文字へと流れてゆく連綿が、この軟ペン先を使うことによってさらに鮮やかなものになります。

『小日向京のひねもす文房具』より引用させて頂いたのだが、軟ペン先を使う醍醐味が上の文章に凝縮されていると思う。自分も早くこのペンを自在に操れるようになって、より味わいのある筆致で文字を書きたい!

小日向京のひねもす文房具|第六回「中屋万年筆」 | ナガサワ文具センター
ナガサワ文具センターの売場ショーケースの中で、ひときわ凛とした和の空気を放つ万年筆を目にしたことがありませんか。 万年筆って、日本古来の筆記具だったかしら? と思うほどに、漆がしっくりくる軸のデザイン。クリップ付きのもの以外に、クリップなしのものもあって、漆塗りの葉巻のような、小刀のような、大和魂が着火されるような──...

中屋万年筆 ネオスタンダード 緑溜 中軟 書き物 #4

想定外の出費となってしまった。来年の万年筆購入計画はこれで無くなった。というか、暫くは極貧生活に耐えねばならない。しかし、小日向京さんから頂いた『出て行ったお金は沢山の文字で返って来る』という名言を座右の銘にして、アソビニモイカズ、ノミニモイカズ、タダヒタスラジタクノツクエニムカイテ、ジヲカクノミ。

反省しなさい

I reflect, but am not sorry.

Azusa Koizumi 2

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コメント

  1. まつした より:

    おめでとうございます( ´ ▽ ` )ノ

  2. putty より:

    「知らなくても済むこと」と「知ってしまったこと」は、表裏一体で、知ってしまったら突き進むしかありませんね。

    いずれにしても、羨ましい。

    • より:

      puttyさん、こんばんは。
      コメントありがとうございます!

      まさに仰るとおり…。
      こと、物欲刺激に一直線となる知識は、恐ろしいです…。

  3. 小藤次 より:

    ご購入おめでとうございます。
    とても美しい軸色ですね!ペン先も中軟!良いなぁ。
    撓り具合は確かに独特かも!?
    パイロットのソフト系が蒟蒻の軟らかさならば、プラチナの軟調は焼けた餅の軟らかさ…みたいな(笑)。

    • より:

      小藤次さん、こんばんは。
      コメントありがとうございます!

      >>パイロットのソフト系が蒟蒻の軟らかさならば、プラチナの軟調は焼けた餅の軟らかさ…みたいな
      ほほーぅ、なるほど~!(笑)

      まだまだコイツの良さを表面的にしか分かっていない(知っていない)と思いますので、
      日々精進して書きまくりたいと思います^^;